チョコレートフォンデュ シェフ * 桑原 ・ 飛影
桑原 「2月14日はどうせ暇だろうからって呼び出されたけど、俺様を何だと思ってるんだ。どうせ暇だけどよぉ。」

  ガチャ・・・

桑 「おー、飛影、お前ぇも呼ばれたのかよぉ。 いつもふてくされた顔してっから、お前ぇもモテないんだろぉ?」

飛影 「誰がモテないだと?幽助と蔵馬はどうした?」

桑 「何、野暮な事言ってるんだ。今日はバレンタインデーだぞ。幽助は蛍子ちゃんとデートだし、蔵馬だって
   女の子達からの”告白”で、忙しいんだろぉ。」

飛 「桑原、貴様は暇なのか?」

桑 「え?・・ああ・・まぁ、な。」

飛 「フン、どうせ貴様はチョコなどもらえんだろう。」

桑 「そういうお前ぇはどうなんだ?」

飛 「フフン、見てみろ!!1つ、もらったぞ!」

桑 「一体、誰からだ?! カードに名前が・・フムフム・・ 『俺の愛すべき77人の戦士達へ  躯より』
   これ、躯からだけど、単なる義理チョコじゃねぇか。焦って損したぜ。」

飛 「義理・・チョコ・・?一体何の事だ?」

桑 「いやー、まぁ、いいじゃねぇかー(せっかく喜んでるのに、本当の事教えたらかわいそうだしな)
   さー、飛影、料理に取りかかろう!」

飛 「ところで、チョコレートフォンデュとは何だ?」

桑 「簡単に言うと、チーズフォンデュのチョコレート版だ。まず、板チョコを細かく刻んで、小さめの深い器に入れ、
   ボール等にお湯をはり、その中で器を湯煎にして、お湯が入らねぇようにかき混ぜて、チョコが溶けたら
   好みの食べ物にチョコをつけて食うんだ。」

飛 「何でもいいんだな?」

桑 「ああ、何でもOKだ。」

飛 「ここにある、イチゴもか?」

桑 「ああ」

飛 「バナナもいいのか?」

桑 「ああ」

飛 「パイナップルもか?」

桑 「ああ」

飛 「ビスケットもいいのか?」

桑 「しつこいなぁ、パンでも何でもつけて食えばいいって言ってるだろ!」

飛 「なら、なら・・これもいいんだな・・・」

桑 「いいって言ってるだろ・・・って、お前ぇ、それ、キュウリじゃねぇか!”モロキュウ”(キュウリともろみ味噌)
   じゃねぇんだから、んなもん、つけるな!」

飛 「貴様が何でもいいと言ったはずだ。」

桑 「じゃぁ、つけて食ってみろよ。イチイチかまってられるかよぉ。・・・・・・どうだ、飛影?旨いか?」

飛 「・・・・・・貴様・・・・・はかったな・・・・・・」

桑 「ったく、面倒見切れねぇな。 ホワイトチョコなら、キュウリに合うかもしれないぞ。」

飛 「ホ、ホワイトチョコがいいのか・・?」

桑 「冗談だ、じょーだん」

飛 「き、貴様・・・・」

ガチャ・・・・

蔵馬 「随分、賑やかですね。」

桑 「蔵馬?」

飛 「貴様、何しに来た?」

桑 「ここに来たってことは、案外、蔵馬もモテねぇって事だなぁ?」

蔵 「いえ、たくさんの女の子達がチョコを持ってきてくれたんですが、彼女達の真剣な思いを、いい加減な気持ちで
   受け取れないので、ここに退避しにきたんですよ。」

桑・飛 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

蔵 「どうかしたんですか?二人とも」

桑 「オイ飛影、何か感じ悪くないか?」

飛 「そうだな。珍しく貴様と意見が合うようだ。」

桑 「じゃ、口直しに、二人でどっかへ何か食いに行こうぜ。」

飛 「そうしよう。」

桑 「蔵馬、悪いけど、俺達もう行くから、後頼んだぜ」

蔵 「桑原くん!飛影!・・・・・・・・・何か気を悪くする事、言った・・・かな?」
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