簡単春巻き


シェフ * 蔵馬・飛影



蔵 「今日は春巻きを作ろうと思います。春巻きは手間がかかると母がよく言ってますが、これはとても簡単に出来ます。」


  材料・・・春巻きの皮、ささみ、人参、ピーマン、とけるチーズ、料理酒、揚げ油


蔵 「まず、ささみは料理酒を少々ふりかけ、耐熱容器に入れラップをしてレンジで火をとおします。
   そして、火の通ったささみ、人参、ピーマンをせん切りにします。切るのは飛影の得意技だったよね。
   次に、せん切りにした材料を春巻きの皮で巻きます。春巻きの皮はくっついていて剥がれにくいけど、
   料理の前に冷蔵庫から出しておくと剥がれやすくなりますよ。飛影、1枚ずつ剥がれましたか?
   飛影?どうしたんですか?」

飛 「いや、この春巻きの皮を見ていると知り合いを思いだしてな。」

蔵 「知り合い?一体、誰なんですか?」

飛 「わからんのか?この薄い皮・・・・・・・・・・・・・いったんモメンだ。」

蔵 「いったんモメンですか?意外な知り合いがいるんですね。」

飛 「あぁ。俺もあいつも同じ妖怪のはしくれだ。面識くらいあってもおかしくないだろう。」

蔵 「まぁ、そうですね。それじゃぁ、妖怪界でナンバーワンの知名度の”ゲゲゲの鬼太郎”さんも
  知り合いですか?」

飛 「いや、鬼太郎とは会った事はないが、どこか親しみを感じる。」

蔵 「飛影がそんな事言うなんて珍しいですね。どこに親しみを感じるのですか?」

飛 「俺の邪眼と鬼太郎の父親が遠い親戚だと、ある男から聞いたからな。」

蔵 「鬼太郎の父親といえば、目玉オヤジですよ。それが飛影の邪眼と親戚だなんて考えられない。
  飛影にそんなこと言ったのは、なんという奴なんですか?」

飛 「ネズミ男・・・と言っていたような気がするが・・・」

蔵 「ネズミ男・・・?・・・・ハハハハハハ・・・飛影、それは騙されたんですよ。」

飛 「何ぃ・・・!?」

蔵 「ハハハハ・・・違うに決まってるじゃないですか。ネズミ男といえば妖怪でも大嘘つきで有名だ」

飛 「蔵馬・・・貴様・・・笑いすぎだぞ!!!俺は・・・俺は、信じていたのに・・・」

蔵 「あ、ゴメン、ゴメン。そんなに気を落とさないで。それより料理に戻りましょう。」



蔵 「春巻きの皮にせん切りした材料ととけるチーズをのせて、くるくる巻いて端っこに
   水をつけて剥がれないように止めます。そして、油でカラッと揚げれば出来上がりです。
   飛影、楽しみにしてた試食タイムですよ。飛影・・・?どうしたんですか?食べないのですか?」

飛 「・・あぁ、ちょっとな・・・」

蔵 「さっきのショックから、まだ立ち直れてないんですか?」

飛 「いや、そうじゃない。」

蔵 「じゃぁ、何故?」

飛 「知人のいったんモメンを食うような気がして、どうしても食えん。」

蔵 「?!?!?!?」

飛 「何だ、蔵馬?文句あるのか?!」

蔵 「い、いや・・・そんな事は・・・・

   えー、ゴホン、今日は試食はしてませんが、飛影の意外な一面を発見したということで
   この辺で失礼します〜〜〜」    




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